今この時この場所の君と僕 #0 これらの寡黙なあをい空 「ずっと、空を飛べたらいいのにと思ってたよ」 「なんで?」 「うーん…なんでだろ…」 「まぁ気持ちよさそうとは僕も思ってたけどね」 「…んー、そーゆーんじゃなくて。もっとこぅ…ねぇ?」 「ねぇって言われてもねぇ?」 「判ってよ」 「君が既に判ってないんだから僕にどー判れと」 「そぅだけど」 「……まぁ例えば、…自由になれる、とか」 「え?」 「空のイメージって、そんなんじゃない?自由とか、開放感とか」 「あぁ…」 「状況が状況だったから逃げ出したいと思ってたんじゃないのかい?」 「…まぁ、それはいつも思ってたけど」 「けど?」 「そーゆーんじゃない…と思う。もっとなんか、こぅ…切ない系?」 「切ない系って」 「笑わないでよ」 「あー」 「憧れ、とかさ。多分、そーゆーもん」 「何に」 「さぁ」 「さぁって」 「判らないよ」 「やっぱ自由とかじゃないのかい?」 「違う。多分」 「多分」 「多分」 「あー、じゃーアレだ」 「どれ」 「届かない」 「は?」 「届かないだろ。空って。どんなに手を伸ばしてもさ」 「……」 「そーゆーのって、憧れ、と似てるし。恋焦がれるっつーか」 「あぁ…うん」 「ハズレ?」 「……アタリ、かも」 「じゃチュ―して」 「なんでっ」 「当たったんだろう?」 「いやそーだけど。それって違う」 「違わない。はいチュ―」 「てかなんでチュ―?」 「勝者には女神のキスを、って言うし」 「言わないし。女神じゃないし」 「いいからホラ」 「ぅ、るさいよっ」 「何照れてんの今更」 「ぅるさいよっ今更とか言わないでくれる?バカっ」 「バカって」 「バカでしょ」 「そんな酷い事ばっか言う口は塞いでしまいましょう」 「ちょ、っ、!」 「………」 「………」 「…顔真っ赤」 「ぅ、るさい!」 「可愛いなぁ」 「可愛くないっ」 「可愛いよ」 「〜〜〜っ」 「そんなに可愛い顔されるともぅ一回キスしたくなるんですが」 「やだよッ」 「ヤダって。つか何で」 「何でって…何でもだよ」 「その言い訳は説得力に欠けるねお姫様」 「うるさい姫って言うな」 「はいはい仰せのままに姫」 「〜〜〜ッ」 「やっぱ可愛い」 「可愛くない」 「可愛いよ」 「あーそーですか!それはそれは宜しいことで!」 「うん、可愛い」 「〜〜ッ、もぅ黙って…」 「………」 「………」 「………」 「…何か喋ってよ…」 「黙ってって、言った」 「〜〜っ何でそーゆー時だけ素直に言う事聞くかなぁ?」 「君が可愛いからだよ」 「関係ないだろ」 「あるよ。そーゆー君の反応が可愛い」 「はいはいよかったね」 「好きだよハリー」 「知ってる」 「大好きなことも?」 「知ってるよ」 「でも愛しちゃってる事は知らない?」 「…知ってます」 「ハリーは?僕の事、愛しちゃってるかい?」 「……知ってるでしょ」 そぅ言うと彼は嬉しそうに「知ってるよ」と云って笑った 触れる事も 触れられる事も決して叶わない その声さえ聞くこともない これらのあをい空は なんて寡黙なのだろう 恋焦がれていたよ その全てに 今はもぅ。 |