センチメンタルとも言えずロマンチックは高くつく #0 あの空の名前 「あ、流れ星」 「えっどれ」 「あー…終了ー」 「ちぇー」 「残念だねハリー」 「折角願い事したかったのに」 「何?」 「知らない?流れ星が消える前に願い事三回唱えると叶うって話」 「知ってるけど」 「うん。したかった願い事」 「どんな?」 「…んー…秘密」 「何それ。どーせ僕の前で流れ星に言うんなら同じじゃんか」 「でももぅ流れ星ないし」 「………屁理屈」 「何、褒め言葉?」 「…ムカツク」 「ハハッ嘘だよ。聞きたい?」 「別に」 「嘘、聞きたいくせに」 「別にいい」 「聞きたいなら聞きたいって素直に言えばいいのに」 「…言いたいなら言いたいって素直に言えばいいのに」 「…素直じゃない」 「どっちが」 「流れ星…も1回こないかなぁ」 「そんなに願い事したいの?」 「別にそーゆー訳じゃないけど」 「…僕ならわざわざいつ降るか判らない流れ星に願いなんて言わないけどね」 「うっさいなー。ロマンの欠片もないやつめ」 「流れ星が降るまで願い事が言えないなんてそれこそロマンがないと思わない?」 「………」 「別に流れ星じゃなくてもいいんじゃない?」 「……」 「この一片の花片に願ったとしても、たいして変わりはないね」 「……」 「まぁ君がどーしても星が良いと言うのなら、例えばあの星」 「…?どれ?」 「あれ、あそこの小さい赤い星」 「…うん。…が?何?」 「僕はアレに願う」 「…何を」 「…ハリーが、ずっと僕の傍にいてくれますように」 「……………」 「なんて」 「…よくそーゆー恥ずかしい事平気な顔で言えるよね…」 「おや、そーゆー男を好きになったのは誰だいハリー」 「…ホント、誰だろね」 「…で?」 「…?で?」 「……僕と、ずっといてくれる?」 「…あの星をくれたらね」 そぅ言って彼の指差した先は 先程願いを託した遠い彼方に小さく佇む赤い星 彼は、ニヤリと笑って。 なんて意地の悪い 僕の可愛い人。 |